「早稲田大学創立125周年記念シンポジウム:角田柳作—日米の架け橋となった“Sensei”—」開催報告
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「角田柳作が語りかけるもの」(8)
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パネルディスカッション
ドナルド・キーン(コロンビア大学名誉教授) ドナルド・キーン(コロンビア大学名誉教授):私が初めて日本語、中国語を勉強するようになったところは、一番大きな閲覧室がありました。真ん中に館長がいました。右側に日本の、左側に中国の司書の方がいまして、椅子がありました。隣は教室でした。教室に6つの机がありました。つまり6人が同じ教室で、場合によって映画を見せることもありました。講義もありました。要するに、場所がなかったのです。また、当時は図書館そのものに、暖房はありましたが、冷房がありませんでした。ですので、夏は窓を開けていたので、本は灰や煤煙がかかって全部汚かったです。本当に不愉快でした。図書館の書庫に入って本を触るのも嫌でした。本当にそういう遅れた状態でした。

大学院の頃…教師になった後でしたが、スタンフォード大学からド・バリーさんと私を呼ぶ話がありました。大変良い条件でした。私たちはカリフォルニアに呼ばれて、冬だったのにカリフォルニアはとても暖かかったです。外にはレモンの木がありました。一種の地上の極楽のようなところだと思いましたが、しかし、私たちは角田先生と離れたくなかったのです。私はコロンビア大学に、スタンフォード大学にこういう話がありますが…ちょうど法学部は別の建物に移り、1つの建物が空っぽになりました。私たちがここに残る条件が1つあります、あの建物が欲しいです、と言って、そしてもらいました。そのときから、図書館にいろいろな部屋があって、教室もたくさんあります。教授たちには研究室もあって、まったく事情が変わりました。その上、冷房がありますから本ももう汚くないです。
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エミー・V・ハインリック(コロンビア大学東アジア図書館館長) エミー・V・ハインリック(コロンビア大学東アジア図書館館長):However, the more things change, the more they stay the same. We revel in this wonderful building that Tsunoda sensei’s students got for the library, although we do not have enough space anymore, and much of the collection is somewhere else. But there was something else I wanted to say about the nature of Tsunoda sensei being both a librarian and a scholar, because Professor de Bary was talking about the general knowledge that he had, the breadth of his knowledge in relation to human beings, as opposed to the specialization of modern subject scholars, who know one area and nothing else. And it seems to me that this is exactly the place where scholarship and librarianship cross, because to become a librarian – most people who become librarians have broad curiosity, and that is a defining characteristic, and want as wide a general knowledge as possible. I think that the combination of those two things is really an important part of Tsunoda sensei’s legacy, both at Columbia and elsewhere in the library world.
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和田敦彦(早稲田大学准教授) 和田敦彦(早稲田大学准教授):ハインリックさんの理想のライブラリアン像は恐らく角田柳作のように一方で深くて広い教養を持ちながら、同時に読者と話をしていくという両方の力を持っているある意味の学者ですよね。先ほどから「教養ある人」という言葉が繰り返し出てきますが、恐らくライブラリアンの理想も深い洞察力というか、学問を身につけていてはじめて可能となるという理想像だと。ハインリックさん自身にもあるということでしょうか。それは角田さんから、ライブラリアンとして自分自身もこんなふうになりたいというイメージがそこにあるのでしょうか。

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