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沾徳点帖 1軸 蘭臺 ほか撰
寳永5(1708)
文庫31 D0052

備前大村藩主大村純庸(蘭臺、1670-1738)らの歌仙(36句で1巻となる連句)に水間沾徳(1662-1726)が批点を施したもの。沾徳は蕉門に親しみ、芭蕉没後、其角とともに江戸俳諧の主流をなし、「大宗匠」と仰がれた。

百韻 10冊 隣水 点
享保14-元文2(1729-1737)
文庫31 A1867

本資料は、点者による批点の多寡を競う「点取」を百韻の形で行い、帖にしたもの。美しい手彩色が施された凝った装訂で、各冊袋付である。

成美書簡 1軸
寛政6(1794)
文庫31 D0093

江戸後期の俳諧師夏目成美(1749-1816)の書簡。知人からの来書に対し、成美が意見を付して返信したもの。俗言の問題や都市俳諧と田舎俳諧について、さらには芭蕉や蕪村などの評価もあり、興味深い内容である。俳諧に対する成美の持論が垣間見られる貴重な資料。通名「成美俳論」。

一茶句稿 魚渕宛 1軸
文化14(1817)
文庫31 D0119

信州の俳諧師小林一茶(1763-1827)の句稿。江戸の祐天寺に詣でた折に、当時富士山を模してあちこちに造られた「富士塚」を句に詠み、北信濃の門人の佐藤魚渕(1755-1834)に評を請うたもの。
 今出来た不二をさっそく時鳥

神奈川ふね 1冊 米仲 編
享保20(1735)刊
文庫31 A0236

岡田米仲(1707-1766)が神奈川を訪れた際の紀行文。その土地の俳人の作品や江戸俳人の送別吟も収める。少し細長い判型で、鼠色と白の縦縞の表紙に黄色の題簽という粋な装訂である。伝本は稀少。

あけ烏 1冊 几董 編
橘仙堂, 安永2(1773)序
文庫31 A0475

高井几董(1741-1789)編。序、本文は自筆版下を使用している。自序には、各地における蕉風復興の動きに呼応する蕪村一派の立場が示されている。蕪村門下をはじめ各地の俳人の句を収録。

續あけ烏 2冊 几董 編
吉田九郎右エ門, 安永5(1776)刊
文庫31 A0513

高井几董編。『あけ烏』の続編。蕪村一門に加え諸国の様々な俳人の作品も収録し、この時期を代表する撰集である。取り合わせ本。

あけぼの草紙 1冊 紫暁 編
寛政3(1791)刊
文庫31 A0674

聴亀菴紫暁(生没年不詳)編の春興帖。本書には、紫暁をはじめ、高桑闌更、大伴大江丸、夏目成美など同時代を代表する俳人が入集している。また蕪村門の月溪(松村呉春)、京都の画僧月峰などが挿絵を描いている。

俳諧歌まくら 1冊 風草 編
橘屋治兵衛, 享保13(1728)序
文庫31 A1645

支考門下の林風草(1689-1761)編。風草が美濃、尾張、京都などを行脚した際に、諸家との交流を記したもの。本書の編集刊行には支考の大きな力添えがあった。風草に宛て細かい指示や指導を書き送った支考の書簡も残されている(文庫31 D0043)。

劇場見立四季句合 1冊 得蕪 編
嘉永4(1851)刊
文庫31 A1260

得蕪社連中による月並句合の秀吟集。歌舞伎の役割番付(紋番付)の体裁をまねたもの。一丁表には得蕪門下の俳人の家紋と名が示されている。得蕪などが点者にあたり、秀句とその作者が記されている。