早稲田大学図書館所蔵貴重資料

外国貿易によるイングランドの財宝
トーマス・マン/請求記号: EB5771
外国貿易によるイングランドの財宝

外国貿易によるイングランドの財宝

England's treasure by forraign trade; or, The ballance of our forraign trade is the rule of our treasure. London, 1664.
Mun, Thomas, 1571-1641.
本書の著者トーマス・マン(Mun, Thomas, 1571-1641)はイギリスの経済学者。ロンドンに生れた彼は、はじめ貿易業に従事し、その後イギリス東インド会社の理事となり、ジェームス一世の貿易に関する常置委員会委員となった。

当時ヨーロッパ諸国の東インド会社は、喜望峰からマゼラン海峡にいたる広範な地域の貿易権を持ち、各地に居留地を設けて貿易利潤をほしいままにしていた。彼の経済学者としての理論的活動は、この会社で経済時論を展開する過程で生れてきたという。

この本が刊行された1664年を遡ること20数年、1621年および1628年にマンは2冊の著書を執筆している。それらの本は1620年以降、イギリスで起こった不況の原因として、東インド会社の銀輸出が挙げられ、非難されたことに反駁したもの。 というのも、当時のイギリスでは海外貿易が不振にあえいでおり、その影響で深刻な貨幣不足が起き、東インド会社がその原因として槍玉にあげられたのだ。そういった批判に対して、彼は会社を擁護する立場から、著書の中で直接的な弁護論を展開した。

本書はその弁護論を理論的に発展させ、体系化した「一般的貿易差額論」を主要なテーマとしている。執筆は1626年から1630年頃だと考えられているが、刊行は1664年、子息ジョン・マンの手によって行われた。彼の理論は、以後の重商主義経済学に大きな影響を与えた。

本書は小松芳喬名誉教授よりの寄贈

* このページは、早稲田大学学生部発行「早稲田ウィークリー」所収「早稲田の貴重書」に若干修正を加えたものです。
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First drafted Febrary 18, 1998
Last revised November 25, 2005