早稲田大学図書館所蔵貴重資料

刑法草案会議筆記
請求記号: ワ13-6464
刑法草案会議筆記1 刑法草案会議筆記2

刑法草案会議筆記 23巻・付録3巻

ボアソナード・鶴田皓質疑討論。写本、27冊。25.6cm×18.7cm。
明治という時代は、政治・経済・文化などあらゆる分野が、西洋からの知識という新しい刺激を受け、試行錯誤を繰り返しながら変化していった時代である。このような社会において必要不可欠なことの一つに法制度の確立があった。特に変革期の社会で必要とされたのが刑法、つまり治安を維持し、国家権力を確立するための法律である。

そこで明治新政府は1868(明治元)年に仮刑律、70年には新律綱領、73年には改定律例と、立て続けに刑法典を制定したが、これらは古代の日本における律と同様に、中国法を直接継受して作られた刑法であった。

1873年左院が廃止され、民・刑事法の制定が司法省に委ねられる。そして来日していたフランス人法学者・ボアソナードを顧問として刑法典の編纂作業が進められた。フランス法を基礎としながらも、ベルギー、ポルトガル、イタリア各国の刑法案を参考にして編纂されたこの刑法典はヨーロッパ刑法思想の法典化であるとも言われる。この法典は約五年の歳月を経て結実し、1880年に公布された(82年施行)。

本学図書館にあるのはこの「旧刑法」と呼ばれる刑法典の編纂作業に伴う、ボアソナードと編纂委員であった鶴田皓との質疑討論の記録である。鶴田は本資料の旧蔵者で、前述の新律綱領や改定律例の制定にもかかわった。刑法史関係の文献で旧刑法に関するものが少ない現状において、23巻にもわたる詳細な記録は、刑法史の研究資料として第一級の価値がある。また本学には他にも『刑法編集日誌』『ボアソナード氏質問録』『日本帝国憲法草案』を所蔵しており、そちらもまた大変貴重な資料である。 * このページは、早稲田大学学生部発行「早稲田ウィークリー」所収「早稲田の貴重書」に若干修正を加えたものです。
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First drafted Febrary 18, 1998
Last revised November 25, 2005