漂流 -- 異界を見た人たち -- 早稲田大学図書館企画展 [目次に戻る]
 
 
 漂流文学 
 

 突如非日常的な空間に放り出され、置き去りにされた漂流民の生活、さらにはそこからの脱出劇は、人々の心に驚きと感動を与え、想像力を刺激して、多くの文学作品を生み出してきた。ここにその一端を出陳するが、誰もが一度は目にしたことがあるものだろう。

 
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No.49 天竺徳兵衛韓噺
請求記号:へ13 2378 328
夷福山人述 一勇斎国芳画 天保4年(1833) 丸屋甚八刊 1冊
 『天竺徳兵衛韓噺』は、文化元年(1804)初演の歌舞伎(四世鶴屋南北作)。もとは並木正三作『天竺徳兵衛聞書往来』を幻術を中心として書きかえたもの。戦国時代に天竺(インド)から帰還した船頭徳兵衛の物語を素材としている。本書はそれをもとに描かれた草双紙。


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No.50 日本漂流譚
請求記号:ル2 3188
石井研堂撰 明治25-26年(1892-93) 学齢館 2冊
 『明治文化全集』の編者石井研堂(1865-1943)がまとめた漂流奇談の集成。

No.51 ジヨン萬次郎漂流記 風来漂民奇譚
稲門ライブラリー
井伏鱒二 河出書房 昭和12年(1937)11月 1冊
 第6回直木賞を受賞した井伏鱒二(1898-1993)の文壇出世作。むろん中浜万次郎の漂流を素材としている。

No.52 ジョン万次郎漂流記 (新児童文庫30)
稲門ライブラリー
井伏鱒二 三十書房 昭和25年(1950)12月 1冊

No.53 漂民宇三郎
稲門ライブラリー
井伏鱒二 講談社 昭和31年(1956)4月 1冊
 天保9年(1838)遭難した越中国長者丸の乗員のうち、一人だけ帰国せずハワイに残った宇三郎の聞書きという形で描かれた小説。ユーモアとペーソスにあふれた井伏文学の代表作の一つ。

No.54 おろしや国酔夢譚
請求記号:へ14 6982
井上靖 文藝春秋 昭和43年(1968)10月 1冊
 大黒屋光太夫を船頭とする神昌丸の遭難と漂着地ロシアでの辛苦にみちた生活、光太夫と磯吉の帰還を描いた長編小説。映画にもなった。

No.55 ロビンソンクルーソー絶島漂流記
請求記号:ヘ22 756
デフォー原著 高橋雄峯訳述 博文館 明治27年(1894)3月 1冊
 絶海の孤島に流れついた男のサバイバルを描いたイギリスの作家ダニエル・デフォー(1660-1731)の出世作。わが国でも早くから訳され親しまれている。

No.56 無人嶌大王 ロビンソン漂流記 (世界お伽噺第5編英国の部)
請求記号:へ24 264 3
デフォー原著 巖谷季雄編輯 博文館 明治32年(1899)5月 1冊
 


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