漂流 -- 異界を見た人たち -- 早稲田大学図書館企画展 [目次に戻る]
 
 
 江戸時代の世界観 
 

 古来日本人の世界観と言えば唐・天竺にとどまる程度の知識であったが、世界史上「大航海時代」と呼ばれる時代になると多くの西洋人が訪れ、一気に世界という意識が広がっていった。鎖国中にあってもイタリア人宣教師マテオ・リッチ(利瑪竇)が1602年中国で出版した『坤輿万国全図』を基本にして多くの世界図が描かれた。さらに、多くの漂流民の帰国や外国使節の来日は、いやおうなくこれまでの世界観の見直しを迫るものであった。


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No.46 世界古地図
請求記号:文庫8 C352
紙本彩色 1舗
 マテオ・リッチの世界図に近い写本。地域毎に色分けし国名、地名を記す。江戸時代中期、18世紀頃の成立か。


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No.47 地球万国山海與地全図
請求記号:文庫8 C356
長久保赤水撰 紙本彩色 写本 1舗
 江戸時代中期の地理学者・長久保赤水が作成した世界図の写し。図上の識語には、地球が球体であること、この世界図の原本がオランダ製であること、季節による星の見え方の違いなどが記されている。全体の構図は<46>に近いが、地名の記載や海岸線の描写がより具体的になっている。


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No.48 万国輿地全図
請求記号:文庫8 C13
松原右仲編 大槻磐渓識語 銅版 天保9年 (1838) 1冊
 ロシア使節レザノフのもたらした世界地図をもとに製作された銅版の世界地図。ロシア語のままになっている地名もある。松原右仲は備中松山藩の儒者であるが蘭学も学んだ。また銅版画にもすぐれ、司馬江漢と並び称された。


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