漂流 -- 異界を見た人たち -- 早稲田大学図書館企画展 [目次に戻る]
 
 
其の八:永寿丸(薩摩)紀州沖より漂流、千島列島に漂着
 
(1812年,文化9年)
 

 永寿丸は薩摩藩主島津斉興の持ち船で、文化9年(1812)10月江戸へ向けて出帆、小豆島から紀州に至る海上で大風により漂流、翌年9月千島列島のハラマコタン島に漂着した。25人の乗員のうち、13人は漂流中に病死、6人が漂着時に水死、さらには上陸後3人が病死してしまい、結局3人が文化13年(1816)尾張国の督乗丸の漂流民3人と共に択捉島に戻った。


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No.20 漂流之記
請求記号:ル2 3274
写本 1冊
 永寿丸の船頭喜左衛門以下3名が帰国の翌年3月、蝦夷会所の調べに対して申し述べた内容をまとめたもの。漂流から帰国までの状況やロシア国内の様子に加え、ゴロヴニン事件にも触れている。


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