漂流 -- 異界を見た人たち -- 早稲田大学図書館企画展 [目次に戻る]
 
 
其の五:大乗丸(陸奥)仙台沖より漂流、安南に漂着
 
(1794,寛政6年
 

 寛政6年(1794)8月、仙台石巻を出帆、江戸へ向かうも翌月房州沖で大風のため漂流、同閏11月安南(現在のベトナム)に漂着。16人の乗員のうち、6人が安南で、1人が広東で病死し、のこる9人が翌年11、12月に長崎に帰国した。


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No.15 南漂安南記事(なんぴょうあんなんきじ)
請求記号:ル2 3093
源三郎原書 曽嘯雲訳評 明治16年(1883)序 1冊
 大乗丸の水手(かこ)であった源三郎の残した記録を、明治時代になってから曽嘯雲こと曽根俊虎が漢訳し、私見を加えたもの。俊虎は米沢藩の儒者の家に生まれ、藩校興譲館で雲井龍雄の影響を受け、江戸に出て洋学も学んだ。明治以後は海軍で中国大陸情勢の調査にあたり、特に安南に注目していた。


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No.16 南漂記
請求記号:ル2 2906
刊本 1冊
 全五巻からなり、大乗丸の難破・漂流から帰国までの経緯をはじめ、安南など各地の地理、風俗、産物、人々との交流を詳細に記している。南瓢記<No.17>とほぼ同一の版である。黒川家旧蔵。


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No.17南瓢記
請求記号:ル7 3062
中野煥撰 寛政9年(1797)序刊 4冊
 大乗丸の漂流記録。南漂記<No.16>の冒頭部分に序文と凡例、目録を加え、巻之一の巻頭に文章を追記したもの。館蔵本は巻之五を欠く。


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