第2部 第1章
広告メディアにみる幕末・明治(前編)


清正香

舶来大象之譜

 江戸時代の中期以降は人口の膨張・諸国物産の発展にともない、貨幣経済が発達し、江戸、大阪、京都、名古屋等大都市に人口が集中して都市民衆社会が形成され、文化が栄えた。こうした社会構造の変化と、小売型商業の発達に従って、大衆消費を促す情報媒体として、さまざまな広告・宣伝メディアが現われた。ここにみる引札・ちらし広告・ビラ・看板などがそれであり、かわら版や見立番付、錦絵などと共に庶民に親しまれた。これらは幕末・明治に至って一層の盛行を見、印刷手段・流通経路・意匠・デザインも多種多様となっていった。
 今日残されているこれらの資料は、当時の庶民生活の一旦を知る上で貴重であり、商業史・商業美術の観点からも注目される。

かゐさいく(貝細工)

豹見世物引札

烟草一式重宝記

東叡山御用御膳海苔所

●髪奇方初みどり

処女香(むすめこう)

書店藤屋引札

紅毛奇方妙あらひこ

逆上一生おこらぬ妙薬

養血散

はやつぎ粉

ホルトス

群龍水

日本無類 阿蘭陀自然車

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