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享受

偐紫田舎源氏 十九冊 柳亭種彦作
歌川国貞画 江戸 鶴屋喜右衛門 文政12−天保13年(1829-1842)
ヘ13 03013

江戸後期の長編小説の一種である合巻の代表的な作品で、源氏物語の舞台を室町時代に移し、和歌を俳句に変え、各帖を追って翻案したもの。主人公・足利光氏の生活が将軍家斉の大奥を描いたものとされ絶版を命じられたため、39、40編は未刊のまま終わり、草稿だけが残された。

雲かくれ 一冊 写本
文庫30 A0054

『源氏物語』に巻名のみ伝わる「雲隠」の巻を補作したいわゆる「雲隠六帖」の写本。本文は他本とかなり相違する異本で、江戸最初期の善本。

源氏雲隠抄 九冊 浅井了意著
文庫30 A0058

『源氏物語』の補作「雲隠」の巻の本文と注解で、「雲隠六帖抄」ともいう。著者は仮名草子の作者としても知られる浅井了意(1612〜1691)。本書はその上方版で、本文6冊注釈3冊の9冊本。本文には挿画11図がある。

源氏絵宝枕 四冊 小島宗賢、鈴村信房著
正徳三年(1713)刊
文庫30 A0227

松永貞徳の弟子、小島宗賢・鈴村信房による俳諧入門書。巻名の由来、巻名を詠んだ俳諧の発句と挿絵。挿絵の大半は「絵入源氏」の模倣。同一の内容で上方版と江戸版があるが、それぞれ標題が異なる。上方版では、初版(万治三年)の度々市兵衛版『源氏鬢鏡』の他に、天和三年永田長兵衛版『源氏物語絵抄』、および本書、すなわち正徳三年大野木市兵衛版『源氏絵宝枕』が知られている。

絵本草源氏 一冊
享保三年(1718)刊
文庫30 A0233

源氏物語の絵本と言いながら、源氏や周辺の人物を一切描かず、各巻を象徴するような草木や建物を描くことでそれとわからせる、「留守文様」の手法を取っている。伝本は極めて少ない。

絵本藤の縁 三冊 方舟子著 長谷川光信画
寛延四年(1751)刊
文庫30 A0235

『源氏物語』の各巻の歌と簡略な梗概を記し、これに絵を配した啓蒙書。伝本は少ない。なお巻末の広告に見える「絵本花の艶 三冊 西川祐信筆」「絵本花の宴 三冊 西川祐尹画」などが『源氏物語』の享受作品かどうかは不明である。

源氏大和絵鑑 二冊 菱川師宣画
江戸初期刊
文庫30 A0236

円窓の中に『源氏物語』各巻一図ずつの絵を描き、丸枠外に後光明院御製の「源氏巻名長歌」や簡単な巻の説明を記す。師宣の優雅な絵による啓蒙的な絵本で伝本は少ない。

源氏香図 一軸 伝土佐光起筆
江戸初期写
文庫30 A0308

元折帖だったものを掛け軸に仕立て直したもの。源氏香は5種類の香木の組み合わせを当てて香を楽しむ「組香」の一種で、組み合わせを示す「香図」という文様に源氏物語の各巻の巻名とゆかりの絵を添えている。