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1.物類品隲(ぶつるいひんしつ)    ニ1 102
平賀源内編 田村藍水鑑定 
松籟館蔵版 宝暦13年(1763)7月
木版 6冊
 江戸の博物学者・平賀源内(1728-1779)がまとめた本草書(ほんぞうしょ)、今でいう博物図鑑。みずから中心となって開催した物産会に出陳した資料から、動植物や鉱物など360種が図入で解説されている。

2.桃洞遺筆    ニ1 4263
小原桃洞遺稿 小原蘭峡輯
大阪 阪本屋喜一郎他版
天保4−嘉永3年(1833-1850) 木版色刷 6冊
 江戸中期の本草学者、小原桃洞(良直,1746-1825)の遺稿集。桃洞は、和歌山藩士の家に生まれ、吉益東洞、小野蘭山のもとで医学、本草学を学んだ。日光、熊野等で薬草の採集、調査をおこない、のち紀州藩本草局の経営にもあたった。本書は孫の蘭峡(良直,1797-1854)が祖父の業績をまとめたもの。


3.日東魚譜   ニ15 712
神田玄泉編 享保4年(1719)序
嘉永7年(1854)11月摸
彩色 7冊
江戸時代中期の医者・本草学者である神田玄泉による日本最初の魚介図譜。本写本は幕末のものであるが、享保年間にまとめられた原本が刊行されなかったこともあって貴重。


4.虫譜図説     ニ15 654
飯室昌栩編 安政3年(1856)序
摸本 彩色 12冊
飯室昌栩は旗本の息子で、江戸時代後期に活躍した博物学者。昆虫ばかりでなく、「虫へん」のつく動物、爬虫類、両生類、さらには河童にいたるまで広く収載し、解説を加えている。彩色が鮮やかな写本である。

5.草木花実写真図譜      ニ14 1046
川原慶賀編 大阪 前川善兵衛
[明治初期刊] 木版色刷 4冊
川原慶賀(1786- ?)は幕末の洋画家。オランダ商館医シーボルト(Siebold, P.F. von, 1796-1866)のもとで絵師として助手をつとめた。本書は天保7年(1836)に刊行された『慶賀写真草』を色刷としたもの。「写真」とは真の姿を写すリアルな絵という意味である。

6.花鳥図并賛      文庫8 B160
桂川甫賢(国寧)画賛
文政4年(1821)6月
絹本彩色 1軸
桂川甫賢(国寧,1797-1844)は幕府奥医師の家、桂川家の六代として生まれ、大槻玄沢らについて蘭学を学んだ。鷹見泉石(1785-1858)、渡辺崋山(1793-1841)らとも交流があり、絵画もよくした。

7.鸚梅図并賛(おうばいずならびにさん)     文庫8 B161
桂川甫賢(国寧)画賛
文政4年(1821)7月
絹本彩色 1軸
もう1幅の花鳥図と同時期の作品。オウムという西洋風の素材が鮮やかな花鳥画として描かれている。

8.白鷺図      文庫8 H3
桂川甫賢(国寧)画
絹本淡彩 1軸
うってかわって水墨画のような枯淡な本画からは甫賢の幅広い画才を窺い知ることができる。

9.山猫図説      文庫8 J65
桂川甫賢(国寧)編
彩色 1冊
文政9年(1826)、筑前国で虎の子として見世物にされていた動物について、甫賢が奥州磐梯山の山猫であるということを、ポーランド生まれの動物学者ヤン・ヨンストンの『動物図説』を引用しながら詳細に解説したもの。

10.狗譜(くふ) 蓄犬図絵(ちくけんずえ)    文庫8 C974
紙本彩色 1巻
幕末近くに訪れた西洋人の習俗を、人々は好奇の目で眺めた。彼らの飼っていた犬も当時の日本人には注目の的で、本図巻はそうした洋犬の解説図である。外国人がCome on.と犬に言ったのをかんちがいして洋犬を「かめ」と言ったのは有名な話。


11.モルモツト・霊猫・雷獣   文庫8 C976
紙本彩色 1巻 
天保14年(1843)、オランダ人が連れてきたモルモットなど珍獣3種を描いたもの。特にモルモットについては、長崎通詞楢林鉄之助(1800-1857)志筑竜太(しつきりょうた、1802-1868)両名がオランダ人から聞いた飼い方が詳細に記されている。霊猫についてはジャコウネコとあり、また雷獣は貂(てん)のことと思われる。

12.象之図     文庫8 C155
彩色 1点
象は鎖国下の日本にたびたび舶載されたが、その大きさ、ものめずらしさから多くの錦絵や写生画にその姿が伝えられている。長い鼻を上に伸ばしたり,草をはむ姿が、部分的に重なり合うようにして丁寧に描かれている。象の細い目が笑っているように見えるのが面白い。

13.ヲーランウータンノ図   文庫8 J53
森島中良編『惜字帖』(貼込帖)のうち
彩色  1枚
寛政12年(1800)「西印度アンゴラ」から長崎に連れてこられた「ヲーランウータン」を描いたこの図の作者は未詳だが、他の舶載品の広告や商標、蘭文など雑多な資料とともに貼込帖に収められている。収集者の森島中良(1754-1810)は桂川甫周(国瑞(くにあきら),1751-1809)の弟の蘭学者で、森羅万象、二世風来山人などの号をもつ戯作者としても有名。

14.駱駝図   文庫8 G3
彩色 2枚
ラクダも象と並んでたびたび日本にやってきた珍獣の代表である。文政4年(1821)6月、ペルシャ産の牡牝2頭のラクダがオランダ船によってもたらされたことがあるが、恐らくは本図もその時のものと思われる。

15.本草図巻      ニ14 2800
栗本丹洲画
安永9−天明元年(1780-1781)
紙本彩色 1巻
栗本丹洲(瑞見,1756-1834)は幕府奥医師として医学館で本草学を講じ、薬品鑑定をおこなった。植物だけでなく動物研究の先駆者としても知られる。

16.花卉図(かきず)    文庫8 J91
周之冕原画 鹿倉格善摸
文化12年(1815)
紙本彩色 1巻
桂川甫賢(1797-1844)愛蔵の画巻。みずから筆を執ることも多かった甫賢であるが、本画は姻戚にあたる鹿倉格善に周之冕の原画を模写させたものである。

17.花譜    文庫8 C1010
宇田川榕庵画 彩色
62枚
蘭学者宇田川榕庵(1798-1846)が西洋の書籍から書写した植物の絵。著書『植学啓原』などの参考としたものか。

18.環海異聞(かんかいいぶん)    文庫8 A202
大槻玄沢編 写本
彩色 8冊
文化元年(1804)9月長崎に帰国した漂流民4人に対し、仙台藩主伊達周宗は大槻玄沢(1757-1827)らに命じ詳細な聞取調査をおこなった。本書は玄沢がそれに整理・考証を加えてまとめたもの。ロシアの言語、風俗、技術などの記載とともに珍しい生きものの姿が描かれている。しかし風聞をもとにしているため不自然な姿となっている。

19.鐸度涅烏斯絵入(どどねうすえいり)    文庫8 F3
R.ドドネウス原著 写本
2冊
オランダの植物学者ドドネウス(1517-85)の『草木誌』は、日本に舶載された西洋博物書のうち、もっとも多くの人に利用された書物の一つである。本書はその図版を原本から模写し、解説の翻訳を付したものである。

20.動物画巻     文庫8 J96
桂川甫賢(国寧)画 紙本墨画
1巻
甫賢の描いた動物図。正確な写生画ではなく、軽妙な筆使いで描かれている。

21.動物写生図     文庫8 J98
桂川甫賢(国寧)画 紙本墨画
2枚
これも甫賢の描いた動物画。猪、熊といった当時でも馴染みのある動物のラフなスケッチ画。



22.ヨンストン動物図説  KT 564
J.ヨンストン著 1660年
銅版 2冊
江戸時代日本にもたらされ、多くの画家や学者に影響を与えた動物図譜。司馬江漢ら、当時の洋画家の技術の向上はこうした図譜を写すことからはじまった。

23.リーディンガー諸国馬画集  文庫8 B254
J.E.リーディンガー著 1752年
銅版 1冊
ドイツの銅版画家リーディンガー(Ridinger, Johann Elias, 1698-1767)が描いた32葉の馬図集。各図版には馬の産地が独語、仏語、ラテン語で記されている。日本にもたらされると、当時の洋画家たちに多大な影響を与え、司馬江漢、亜欧堂田善、小田野直武らがこの図をもとにした作品を残している。

24.百馬図   チ4 1285
摸本 紙本彩色 2巻
正保年間に成立した馬の毛色図鑑の写本。100種近くの馬について毛色、毛並を図入りで示している。

25.犬追物画巻(いぬおうものがかん)   ワ3 3645 172
土佐光茂原画 本間百里摸
文化10年(1813)11月
紙本彩色 1巻
犬追物は走る犬を馬上から射掛ける武芸で、流鏑馬(やぶさめ)、笠懸(かさがけ)とともに馬上の三物と呼ばれ、中世以来武家にとって必須の武芸であった。原画は室町時代の土佐派の絵師、土佐光茂(みつもち)とされる。

26.あいぬ行事絵巻    ニ16 2504
紙本彩色 1巻
江戸時代後期、間宮林蔵らによる蝦夷地探検などにより、アイヌ風俗が画題としてとり上げられるようになった。これもその一つで、有名な熊祭(イヨマンテ)や狩猟の様子が描かれている。
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