漂流 -- 異界を見た人たち -- 早稲田大学図書館企画展 [目次に戻る]
 
 
観吉丸(陸奥)房州沖より漂流、ルソンに漂着
 
(1841年)
 

 天保12年(1841)10月、公儀御城米を積んで宮城石浜を出帆した観吉丸(観音丸とする写本もある)には、船頭甚助以下、八名が乗船していた。数日後上総九十九里沖で大風に見舞われ漂流、翌年7月ルソンに漂着した。そこから海伝いに清国を経由、12月長崎へ帰着した。

No.31 漂流之記
個人蔵
写本 1冊
 ルソンに漂着し帰国した観吉丸水手の長次郎、喜平(喜兵衛とも)の話をまとめたもの。大槻磐渓がまとめた『観音丸呂宋漂流記』にくらべ、漂流している間の様子や、ルソン、清国の生活、言語などについての記述が詳細である。書体は"定家様"で、独特の風合いを醸し出している。文学部兼築信行教授所蔵。


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