漂流 -- 異界を見た人たち -- 早稲田大学図書館企画展 [目次に戻る]

 
其の一:神力丸(陸奥)仙台沖より漂流、清国福建省に漂着
 
(1750年、寛延3年)
 


 寛延3年(1750)11月17日、船頭又五郎以下8名を乗せ釜石を出帆。金華山着岸後の同25日暴風に吹き流されて漂流をはじめる。3ヶ月余の後の翌年3月5日、清国福建省付近の海岸に漂着した。同年12月6名が帰国、長崎奉行松浦河内守信正による取調べの後、翌年5月江戸へ送られ、それぞれの在所へ戻された。


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No.1 漂白之者共相尋候口上覚
請求記号:ル2 3094
宝暦2年(1752)9月 1冊
 神力丸の漂流の模様を、出帆から帰国まで詳細につづったもの。
漂流中に皆で髷を落として願掛けをしたことや、清国の家の造り、
食生活などにも言及しており興味深い。巻末には「神力丸残船具
并残荷物請取覚帳」として持ち帰ったものの一覧が付されている。


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