ふみくら:早稲田大学図書館報No.54(1996.7.10) p.5

館蔵特殊コレクション摘報

千 香@文 庫

特別資料担当


印
  1. 分 類 文庫24

  2. 収録資料数 金石文関係図書資料を中心に語学、仏教、地誌・紀行資料など全4549部

  3. 目録
    印刷目録:千黒カ庫目録(早稲田大学図書館文庫目録 第16輯 平成7年3月刊)

  4. 収蔵年とその経緯
     第一高等学院時代に会津八一博士との出会いがあって以来、日本金石文の研究を続けてきた加藤諄先生が長年にわたって収集した図書資料が、平成5年に先生のご厚意で本館に寄贈された。図書館では加藤先生の書斎名に因んでこれを「千黒カ庫」と名付け、蔵書印の作成を横山淳一氏に委嘱した。
     なお同時期に先生が全国各地を回って手拓された拓本類が本学会津博士紀念東洋美術陳列室に寄贈されている。

  5. 収書の特徴
     寄贈された図書には金石学のみならず文字学、書道史、仏教学などに関する貴重な文献が数多く含まれている。
     金石関係の資料では、先生の仏足石研究に関するものとして、朝音編、岡正武写の『仏蹟誌』が第一にあげられ、狩谷【エキ】斎『古京遺文』の諸本、『古瓦譜』『公私古印譜』など藤貞幹の自筆本も貴重である。文字・音韻・仮名遣に関する文献も豊富である。特に30点に及ぶ韻鏡関係の書籍は研究者にとって重要であろう。書道史関係では『秋萩帖』の江戸時代の模刻本がある。また仏教関係では、『上宮聖徳太子伝補闕記』『聖徳太子伝玄談』『聖皇伝』などの聖徳太子伝の写本が特筆に値する。
     その他、枚挙にいとまがないが、本文庫には『証古金石集』『日本霊異記』のように加藤先生ご自身の書写になる図書も少なくない。また、先生が全国各地を調査旅行中に滞在先で収集された地方出版の図書資料が多く含まれているのも本文庫の特徴の一つといえよう。

  6. 収書者
    加藤諄:日本金石文研究者。書家としても知られる。明治40年、愛知県一宮市生。昭和14年、早稲田大学大学院修了。18年、早稲田大学第二高等学院講師。24年、早稲田大学教授。学部では日本文学、国語学、書道史、美術史を教え、大学院文学研究科で金石文を講じた。昭和52年3月定年退職し名誉教授となる。先生は学園で教える一方情熱的に各地の古鐘銘や碑文の拓本をとって回られた。退職後も先生の学識と人柄を慕って教えを請う人が多い。また昭和37年4月から4年余り図書館副館長の職にあり、資料収集や館員の育成に尽力した。主な著作に昭和55年の『仏足石のために−日本見在仏足石要覧』(築地書館)をはじめ、『日本金石文学』(青裳堂書店)『道の幸(校訂本)』(二玄社)などがある。(先生の略歴・業績については「千黒カ庫目録」に詳細を掲載してあるので参照されたい)。


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