No.34(1992.2.10)p 7-9


WINE講習会の報告

吉田伸一(総合閲覧担当)


 本年度2回目のWINE講習会として、秋季講習会を11月11日(月)〜11月22日(金)まで、2週間の間に延べ8日間、21コマ開きました。

 開催の広報が大学祭の一週間で途切れるという悪条件はありますが、卒業論文の仕上げの時期、又、学年末のレポート・試験の直前の時期ということを考慮した期間の設定をしました。この段階で少しでも学んでおけば前記のことに役立つのではないかと考えた次第です。

 4月に開催し、はや8ヶ月目に入り、多くの人は図書館全体にも、WINEにも使い慣れて来ていることと判断し、春季とは講習の内容も、また対象となる利用者区分も変えてみました。

 内容は、『入門コース』(WINEシステムの初歩的かつ基本的な検索方法について、図書館員の説明、指導等により、実際に端末操作を行う。)と『応用コース』(キーボードの配列および入力のしかたを理解している人に複合限定など応用検索の説明、指導)に分けました。入門コースは春季講習会でも行い、端末機の側に備付けた『WINEシステム利用案内』にて自習もされ、また既に操作ができる友人からも教えてもらっているであろうことを考慮し、これまでに習う機会にめぐまれなかった利用者を対象としました。その内容は、1)端末機で検索できるデータの範囲とそれから漏れているものについて 2)検索して自分が欲する書誌データがあったとき、その排架場所を示す「所蔵」蘭の見方。以下、実際の端末操作法として、4)半角/全角切替え 5)英数・カナモード切替え6)Rカナ 7)入力文字を間違えた場合の取り消し方法 8)取消しキー(左側のCtrlキー)の機能を教え、 9)モデル検索をして、検索の流れと個々の項目を説明し、10)困った時のF2キーHelp画面の説明、11)eを入力し、画面を最初にもどすところまで行き、練習問題を8問実際にやっていただくというようにしました。ここまでひと通りやることが出来れば通常の場合は館内の入力済みデータはほぼ使いこなせると思います。

 これに対して応用コースは、上記の基本的なことは既に理解しキーボードの操作もスムーズであることを条件に考えてその内容を設定しました。また、備付の『利用案内』にて個々の機能にはすでに挑戦しているか、いくつかの機能は実際に利用している人にまとめて理解してもらうことを考慮しました。習得すべき内容は以下の項目としました。

*自然語検索から件名へ
*漢字検索と表示モードの変更による読みの確認
*スクロール機能
*前方一致による集合の作成と複合、限定検索
*コマンドチェーン
*ソート機能
*利用記録の照会

この応用コースとして習得すべき内容に沿った課題も参考のため以下に掲げておきます。

1. 消費者信用に関する図書がみたい。
タイトル検索から件名検索をする。
2. 百目鬼恭三郎という人の著書を探したいが、名前のヨミがわからない。
著者名漢字検索とヨミ表示をする。
3. 梅原猛の著書で聖徳太子に関する図書
著書名検索と件名検索、集合を作り複合検索をする。
4. 「国際政治」という件名を持ち、タイトル中に「中東」という言葉を含んだ本
件名検索とタイトル検索をし、集合を作った後、複合検索をする。
5. 『日本思想大係』を巻号順にみたい。
6. 各自の利用記録の照会を行って自己の記録をみる。

 以上のような課題を通して、WINEの持つ種々の機能を理解していただくよう考えました。

 次にこの講習会を実際の参加者から見ると以下のようになります。

1)学部生・院生

参加状況
日 時 10:40〜11:20 14:40〜15:20 16:20〜17:00
11月11日(月) 6名 4名 *応用 5名 15名
11月12日(火) 2名 5名 2名 9名
11月13日(水) 2名 *応用 9名 2名 13名
11月14日(木) 2名 2名 4名 8名
11月15日(金) 4名 5名 *応用 6名 15名
16名 25名 19名 60名

参加者内訳
入門コース 40名
学部生 32 院生 7 その他 1
政 5
法 2
商 4
教 9
一文 9
二文 1
社 2
法研 1
文研 3
商研 3
帰国子女
応用コース 20名
学部生 11 院生 8 その他 1
政 0
法 1
商 1
教 2
一文 5
二文 1
社 1
法研 1
文研 4
商研 3
学生職員

合計 学部生:43名 院生:15名 その他:2名



2)教職員

参加状況
時間 参加者
11/18 13:30〜14:10 教(2)教育・学院
職(2)語研・教務
11/20 13:30〜14:10 教(1)理工
職(2)現政研・教務
11/22 14:40〜15:20 教(2)語研

合計9名(教員5・教員4)
語研2 教務2
教育1 語研1
理工1 現政研1
学院


 入門コースの学部生・大学院生のところをみると2名のところがいくつか見られますが、受講者にとってはほぼ一対一の密度の高いものになっています。図書館側からみると、既に入門コースは卒えられたものか、広報の失敗かとも考えられます。それに対し、応用コースは設定枠が少ないためか、10名の定員に対し9名とほぼいっぱいのところがあります。

 入門コースは、学部生では卒論のある文・教が多いのは当然としても、大学院生が意外に多いのが何か考えなければならない点を含んでいるのかとも思います。そして当然にも応用コースは大学院生の割合が増しています。もう少しコマ数を増やすことが入門コースと応用コースの時間数の比から言っても必要と思われます。

 今回、要望が高く、そのため別に一週間のプログラムを組んだ教職員のためのコースは残念ながら希望が少なく3コマしか開催出来ませんでした。時間が合わなかったことや、広報の難しさを反省させられます。

 アンケートは応用コースのみ今回は行いました。参考になると思われるものを抜粋してみました。

回収数 19(参加者20名)

1.応用コースの内容について
1)理解できた 9
2)だいたい理解できた 10
3)難しかった 0

1)と答えた方

今回の内容以外に応用コースで教えて欲しい内容があったらお聞かせ下さい。
出版者以下の検索項目の使い方。
分類での引き方。あれは入力の作法が難しくて、ねらった数字で一回で出せたことがありません。
書誌レコードという言葉の意味について。


2)・3)と答えた方

どこが難しかった、またはわかりにくかったですか。
コマンドチェーンについて
「前方一致検索」と「保存」の関係。
説明してもらえれば理解できますが利用案内だけでは理解できないように思われます。(特にこの講習を受けない人たちなど)。
コンピュータ用語をよく知らないので、自分がどういう状況でどのキーを選択していいのかよくわからなかった。

2.その他感想がありましたらご自由にお書き下さい。
こういった企画をまた行ってください。
そういう機械があるらしいと噂にはきいていた様々な機能の使い方がわかって面白かったし、今まで存在も知らなかった機能もあった。マニュアルの目次だけ見てもよくわからない。これらの機能をわかりやすく書いて図書館にはっておくなどしたらマニュアルをまじめに読もうという気もおこるのでは?
使い慣れていないのでこういう講習会をもっとやってほしい。

 上記のような意見・感想がよせられました。応用コースの方は殆どRカナで入力できる操作の早い人が多く感心いたしました。これ以外の意見も検討の上順次マニュアルに生かし、使い勝手のいいものにしていきたいと思います。

入門コース・応用コース共に今回の反省にたって次回はより充実したものを心掛けています。



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