No.28(1991.2.1)p17

早稲田大学蔵 資料影印叢書 刊行案内


第十七巻 軍記物語集
日下力
中世の軍記作品の中から、本文の資料的価値が高い未紹介の伝本三種を収録した。

1.保元物語 桝型本 写 三冊 京図本系に属する伝本。多くの独自性を有し、この作品の流動・変遷をたどるのに重要な示唆を与える。従来八本の所在が知られているが本書は未紹介。列帖装。江戸前期写。
2.平治物語  桝型本 写 三冊 保元物語と一対をなし、同じく京図本系に属する伝本。他諸本と異なる側面があり、この作品の流布・享受のあり方を投影する。他に二本の所在が知しられるのみ。列帖装江戸前期写。
3.応仁記 大本 写 
一冊
作品の原型かとされる一巻一冊形態の伝本。他の同類本の誤謬・誤脱などを補正しうる善本で、書写年代の古さでも注目される。室町末期写。





第二十六巻 歌舞伎台帳集二
編集 菊地明
本学元教授河竹繁俊の考証による、初世並五瓶・四世鶴屋南北・河竹黙阿弥の真蹟台帳三種を収録した。


1.藩随長兵衛  寛政十二年 初世並木五瓶作 半紙本
写 六冊
寛政十二年五月、中村座の二番目狂言として上演。初世五瓶の江戸劇壇での最初の作。

2.黒手組助六  安政五年 河竹黙阿弥作 横本
 一冊
安政五年三月、市村座の「江戸櫻清水清玄」の二番目として上演。黙阿弥自筆の三幕目、花川戸助六内の場のみを収録。横本で、書き卸し時の草稿かと考えられる。

3.鶴屋南北自筆台帳 題名未詳 横本 
一冊
台帳初丁に「当る子の初狂言水滸伝曽我風流」とあるが、年代、題名とも未詳。この台本の筆跡を河竹繁俊が南北の真蹟としたことから、草稿の一部かと考えられる。



体裁  A5版上製、平均650頁
刊行期日  昭和63年3月(第1回配本)3ヶ月ごとに1冊配本。平成3年12月完結
定価  各巻15,000円(出版部へ直接申込・教職員は2割引)
次回配本 平成2年12月 馬琴評答集(四)
編集  柴田光彦



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