No.26(1990.11.15)p 20



表紙写真解説



大正十四年落成直後の本館




    大正十年十月に完成したのは、在来の政法教室に平行する形の部分のみであった。閲覧室・事務室のあった木造部分はこのときにとりこわされ、書庫部分が残されたのである。その上、新しく建てられた建物と旧来の書庫とは斜めに廊下で結ばれたのだった。予定が延び、しかも当初の計画どおりに進まなかったのは、書庫の移築の是非をめぐる議論があり、結局移築の不可能なことが判明し、さらには関東大震災に遭うなどの種々の事情が存在したらしい。後日のことになるが、残った書庫も昭和七年にはとりこわされた。その頃には、もはや「不恰好に屹立していた時代遅れの煉瓦建物」と評されるに至っている。

    (図書館史編集委員会「建物からみた図書館小史」)(『早稲田大学図書館紀要』第30号より)

    表紙写真は、大正14年10月竣工の新図書館(写真右側の建物)と、煉瓦づくりの書庫(写真左側の建物)の景観。新図書館の煙突から、煙が立ちのぼっているのが、認められる。

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