No.25(1990.10.15)p 6


独協大学遡及入力(事業)開始
―DOBIS/Eを導入して―

独協大学図書館
椎谷暁子


 独協大学図書館は平成元年からDOBIS/Eを導入し図書館のシステム化を始めました。夏休みまでにIDラベル貼付作業、ブックカードを元にした簡易データ(タイトル、請求記号、登録番号、資料ID)の作成とロードを終え、後期授業開始から閲覧システムが稼動しています。目録システムに関しては12月末より検討を重ね、本年度初めには新規と遡及同時スタートという強行な計画でした。まだ手探り状態だった3月、早稲田大学図書館の現場でいろいろ教えていただき、お蔭様で6月には本番にこぎつけることができました。

 当館の遡及入力作業は五ヶ年間の予定で、所蔵図書約50万冊のうちの35万冊を対象にしています。処理機器はDOBIS/Eを動かしている情報センター設置の日本IBM社4381ホストコンピュータと、学術情報システムゲートウェイプログラム(ACIS/Gateway)の構成です。それに書誌データ入力ツールとして学術情報センターの目録所在情報サービス(NACSIS-CAT)(以下学情と省略)を利用しています。

 新規データと同一環境でオンライン入力するという方法で、目録カードを元にまず学情の図書データを検索し該当のものをDOBISのオンラインプールに取り込みます。そして既にデータベースにあるタイトルのみの書誌データと置き換えをして必要な修正を加えた上、入力済みの所蔵データを確認します。アルバイト10名が主な作業を行い、整理係の職員が点検をして完成させます。

 学情のデータベースの問題点は参加館が共同で目録を作成するため書誌データにばらつきがあることです。例えば、著者名標目は典拠ファイルにリンクづけするようになっていますが、していない場合もあり管理が必要となります。件名も任意項目になっていて、件名標目表も決まっていないため同じ件名がいくつにも別れてしまいます。少なくとも人名と書名件名だけは統一したいと考えていますが、一般件名は取り込まれたままになっています。分類も各種入ってきますので、NDC7版を追加しています。

 又、書誌階層については学情では固有のタイトルから子書誌を作り、シリーズから親書誌を作ってリンクづけするようになっています。当館では手間の問題と有用性を考慮し原則として子書誌だけを取り込むことにしていますが、複雑な場合は親、子、ボリュームレコードを作成しリレーションをはるというDOBISのシステムの特性を生かそうと考えています。

 ゛読み、分かち書き″の規則は基本的には学情に準じなるべく修正を加えないようにしています。しかし読みは単語単位、漢字形は分かちをしていないため修正処理が必要となります。又、アルファベットやアラビア数字はカタカナ読みをせず表示されているままに表記するので、その前で分かちをすると検索のときにスペースを入れて検索しないと探せないというDOBISのシステム上の問題点もあります。

 当館ではこのような修正について目録カードから機械的にできることをアルバイトの方々にお願いしています。2週間という短い研修期間で心配しましたが、学情でヒットする和書から始めたこともあり最近では一人一日40件前後の処理が可能になっています。その分職員は点検作業に追われて四苦八苦しているところです。

 早稲田大学図書館では、研修に充分な時間をかけ、点検にも専任の職員が当られており大変うらやましく感じました。貴館ならではの大事業、質の高いデータベース完成にはこれからも御苦労が多いと思いますが頑張ってください。そして将来、同じDOBIS/Eをベースにしてネットワークが結べることを期待しています。



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