ふみくら:早稲田大学図書館報No.23(1990.5.30) p.13

館蔵特殊コレクション摘報10(2)

中村俊定文庫



印 印
  1. 分 類 文庫18

  2. 収蔵数 1,049部 1,432冊

  3. 目録等
    印刷目録:中村俊定文庫目録(早稲田大学図書館文庫目録 第14輯 平成2年3月刊)

  4. 収蔵(設置)年とその経緯
    昭和61年11月
    本文庫の収集者である、元早稲田大学教授中村俊定先生は昭和59年に84歳で亡くなられたが、その三回忌にあたる61年秋、治子夫人のご好意により、蔵書中の冊子本および巻子本が館蔵に帰した。資料受入後、翌62年秋より本格整理に着手、平成2年3月冊子目録を完成した。なお、文庫中の各冊に押された「中村俊定文庫」の印は、資料受取りの際に治子夫人より托されたもので、夫人が本文庫のために土方寿氏に依嘱して用意されたものである。

  5. 収書の特徴
    江戸期の版本・写本を中心とする連歌・俳諧資料。収集の範囲はきわめて広く、初期の貞門俳諧から近世後期・明治に及ぶ。このうち、松江重頼、建部綾足、大島蓼太関係の資料、および、貞享3年版『波留濃日』をはじめとする七部集の資料などに、他に見られない貴重なものが多く含まれている。また、先生自身の手になる影写本も加えられており、松宇文庫や綿屋文庫所蔵本の写しを中心に、約200部をかぞえるが、この中にもすでに原本の失われたものや、幾多の稀観本の写しが見られ、今日では得がたい資料となっている。

  6. 収書者
    中村俊定:早稲田大学教授。明治33年(1900)、愛知県宝飯郡形原町(現蒲郡市)に市川菊蔵の五男として生まれる。幼名唯治。3歳の時、浄土宗西山派の僧中村俊達の養子となる。12歳で僧籍に入り、俊定と改名。西山派普通学寮・専門寮および聖峰中学に学んだのち、第一早稲田高等学院をへて、大正14年早稲田大学文学部国文学専攻科に入学。昭和3年卒業。実業之日本社編輯局に入るが、6年担当誌廃刊のため退社。深川高等家政女学校、豊島高等女学校、調布高等女学校に教鞭をとる。この間、伊藤松宇の『俳書解題』編纂を手伝い、『大芭蕉全集』の企画・刊行に尽力、11年、多くの研究者によびかけ「俳諧研究会」をおこし、初の研究誌「連歌と俳諧」を創刊した。17年早稲田大学文学部非常勤講師となり、一時辞任するが、戦後21年に復職、31年に教授となり、45年定年退職するまで本学に俳諧を講じた。この他、大東文化大学、二松学舎大学、東京女子大学等でも指導にあたった。
     また、昭和25年「俳文学会」設立に際しては、研究者のまとめ役として奔走し、その後も長く事務局をつとめるなど、学会に対しても多大な貢献をなした。
     貞門俳諧に対する造詣、とりわけ松江重頼の研究で夙に知られたが、『国語国文学研究史大成12 芭蕉』、『日本古典文学大系45 芭蕉句集 連句篇』、『芭蕉事典』等の芭蕉研究をはじめ、『俳諧大辞典』、『俳諧史の諸問題』等々、俳諧史の全域にわたって多くの業績をのこした。(文責:大江令子)


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