ふみくら:早稲田大学図書館報No.23(1990.5.30) p.12

館蔵特殊コレクション摘報10(1)

本間久雄文庫



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  1. 分 類 文庫14

  2. 収蔵数 自筆稿本類 762点(稿本288点 書画112点 書簡362点)
        刊行図書 1,368部 1,895冊
        雑誌・新聞 115種

  3. 目録等
    印刷目録:本間久雄文庫目録(早稲田大学図書館文庫目録 第13輯 平成2年3月刊)このうち自筆稿本類の201点分については、昭和54年9月に刊行された「本間文庫目録」(早稲田大学図書館月報 No236)に収録されている。

  4. 収蔵(設置)年とその経緯
    昭和53年6月
    前年9月刊行の著書『明治大正文学資料真蹟図録』(請談社)に掲載された資料が、東京と名古屋の松坂屋で催された展示会の終了後、本館に収められた。その後4回にわたって新資料が収蔵された。

  5. 収書の特徴
    明治大正文学資料を中心とした本コレクションを、他の追随を許さないものにしているのは、文人、作家、画家等の自筆による書簡・日記・原稿・書画等の生の資料の豊富さにある。それは本間先生の資料の探索と蒐集の努力の結果であり、昭和39年に完成した畢生の大著『明治文学史』全5巻(束京堂)や『明治文学作家論』(早稲田大学出版部 昭和26年刊)等の中に縦横に利用され活かされている。特に坪内逍遥、島村抱月といった早稲田大学関係の諸家の自筆本、尾崎紅葉等の硯友社関係の資料、黎明期文学の先覚者の一人である山田美妙の多数の自筆稿本類が目をひく。
     また本間先生の研究の特徴の一つは、埋没した作家を再評価したことにある(大久保典夫氏)とされるが、中西梅花、伊良子清白、河井酔茗、横瀬夜雨等の研究も、本資料を駆使してなされたものと考えられる。

  6. 収書者
    本間久雄:評論家。英文学者。日本近代文学研究者。文学博士。早稲田大学名誉教授。明治19年(1886)10月11日生、昭和56年(1981)6月11日没。山形県米沢市に、代々上杉家に仕えた能役者の家に生れた。坪内逍遥、島村抱月を慕って早稲田大学大学部文学科英文学科に入学。明治42年卒業後、自然主義文学の批評や、英国の詩人オスカー・ワイルドの研究を行い、またエレン・ケイ等の婦人問題への関心を示した。
     一方大正3年1月早稲田文学社に入り、大正7年9月から昭和2年12月まで島村抱月のあとをついで「早稲田文学」を主宰した。関東大震災における文化財被害の惨状を目のあたりにして、明治文学に関する資料の散逸を防ぐことを決意し、7回にわたり特集号「明治文学号」を編んだ。当時の文人の原資料が取り込まれており、わが国における明治文学研究史上特筆すべき業績となった。昭和3年3月英国に留学、6年5月早稲田大学文学部教授。11年4月「英国近世唯美主義の研究」で文学博士。早稲田大学では英文学の講座を持つとともに国文学科では「明治文学史」を講じた。32年定年退職して名誉教授となり、その後実践女子大学、立正大学教授を歴任した。
     この間多くの作家、文学研究者を育成する一方、昭和10年から39年まで、30年間の歳月を費やして『明治文学史』全5巻(東京堂)を完成し、文学史家としての地位を確立した。さらに昭和52年9月、90歳で『明治文学史』の基礎資料となった『明治大正文学資料真蹟図録』(講談社)を編集刊行した。
    (文責:久保尾俊郎)


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