No.18(1989.7.10)p 10

マイクロ化作業内容(その1)



加藤絢子(明治期資料マイクロ化事業室)


1.明治期資料仮目録

    早稲田大学図書館には、明治時代に出版された図書だけをまとめた目録は出来ておりません。日本の図書館で明治期出版物の所蔵リストを作っている所は、極めて少数であろうと思われます。しかし、明治期資料をマイクロ化して行こうとする時には、自館にどんな資料を所蔵しているのかを知ることが、まず始めに必要となります。そこで当室では次の手順で明治期仮目録を作成しました。

(1)早稲田大学図書館開設以降の図書原簿及び事務用基本カードを調査し、明治期に刊行された資料をすべて抽出する。
(2)各種文庫(14種)に所蔵されているものも調査し、明治期刊行物を抽出する。
(3)抽出したカードをコピーし分類ごとに書名のアイウエオ順に配列する。

    現在、演劇博物館及び慶應義塾大学の蔵書についても同様の手順で調査しています。それぞれの図書館が所蔵している明治期本の情報を1つにまとめた総合目録の作成のために努力して行きたいと思っています。


2.現物調査

    書庫から借り出した本の汚れ、破損、落丁、乱丁、書き込み等を調べ、マイクロ化に適しているかどうかを判断します。異版本を所蔵している場合は、1冊ずつ内容に変更があるかどうかを調べて行きます。ページ数、挿絵の数や位置、活字の形や大きさ、紙質やインクの色、正誤表をもとに誤字の訂正の有無等をチェックします。これらの調査が、その本をマイクロフィッシュに撮るかどうかの判断の決め手となるわけですから、慎重に行わなければなりません。
「保存情報の記録」以下、あとの手順については次の特集号に記します。



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