ふみくら:早稲田大学図書館報No.15(1988.11.5) p.17

館蔵特殊コレクション摘報7(2)

逍 遥 文 庫


印
  1. 分 類 文庫6

  2. 収蔵数 2,690部 6,388冊(和漢書 2,303部 4,919冊 洋書 316部 1,275冊 和雑誌 69部 192冊 洋雑誌 2部 2冊)

  3. 目録等
    印刷目録:なし
    その他:和漢書書名目録(カード)・洋書著者名目録(冊子・第6篇中、カード)・洋書件名目録(カード)

  4. 収蔵(設置)年とその経緯
    昭和24年5月
    昭和24年2月、逍遥未亡人の死後、いまだ遺っていた坪内逍遥の旧蔵書を、国劇向上会から早稲田大学に譲渡された。この中、演劇関係は主に演劇博物館に、伊豆・熱海・駿河・相模関係地誌は熱海図書館に寄贈され、その他の部分を本館が管理することになった。これに対して「逍遥文庫」と名付けた。なお、逍遥は、明治の頃より幾度か図書の寄贈をしており、殊に関東大震災の直後には全蔵書数干冊を寄贈している。これらの中、シェークスピア関係や演劇関係の主要なものは後に演劇博物館に移管された。しかし、その他のものは館蔵資料として一般書の中にあり、文庫の中には含まれていない。参照:早稲田学報343・344合併号 大正12年10月坪内逍遥年譜(坪内逍遥事典 平凡社 昭和61年刊)逍遥書屋図書分類目録

  5. 収書の特徴
    文学を中心に哲学・宗教・歴史・地理・風俗・その他随筆・雑書等幅の広い一般書。演劇関係も演劇博物館と重複するものが相当数含まれている。

  6. 収書者
    坪内逍遥:本名勇蔵後雄蔵。別号春の屋主人、春の屋おぼろ、柿叟等。岐阜県生。安政6年(1859)5月22日生、昭和10年(1935)2月28日没。文学博士。英文学者。小説家。劇作家。評論家。早稲田大学名誉教授。明治16年東京大学文学部卒業後直ちに同窓の親友高田早苗のすすめにより、東京専門学校の教師となった。はじめ西洋史、英国憲法論の訳読等を講じていたが、文学科の開設に尽力し、明治23年の開設と同時にその責任者となり、英文学史・シェークスピア等を講じた。また明治18年に「小説神随」を発表、我国近代文学の端をひらいた。明治24年には「早稲田文学」を創刊し、早稲田派文学の発展に尽力すると共に、シェークスピアの研究、翻訳に心をそそぎ、我国ではじめての全訳をなしとげた。一方自らも「桐一葉」「牧の方」「沓手鳥孤城落月」等多くの戯曲を執筆し、歌舞伎の革新をはかり、更に、島村抱月と共に文芸協会を設立、松井須磨子等の女優を育て、西欧演劇を上演するなど我国新劇運動にも大きく貢献した。近代文学の先駆者として、演劇の革新者として、また早稲田派文学の総帥として逍遥の果した役割は大きい。演劇博物館は、昭和3年、逍遥の古稀と半生をかけたシェークスピア全集の翻訳完成を祝し、その業績を記念して創建されたものである。また昭和5年、演劇博物館の後援と国劇向上のために、逍遥は私財を投じて国劇向上会を設立した。著書は「逍遥選集12巻・別5巻」(春陽堂刊第一書房復刻)に収められている。


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First drafted Nov. 29, 1997