No.3(1985.1.30)p 3

早稲田大学蔵 資料影印叢書 第一・七巻刊行




第一巻 ●(木偏に夜)斎書入倭名類聚鈔(一)

編集 辻村俊樹


狩谷●(木偏に夜)斎が彼の畢生の業である『和名類聚鈔』研究の一環として、寛文七年渋川清右衛門版(二〇巻五冊)に書き入れを加えたもので、二巻にわけて刊行する。同じく●(木偏に夜)斎の手になる『和名抄引書』一冊は第二巻に収録。いずれも黒川家旧蔵。

 ●(木偏に夜)斎は『箋注』に至る過程で、多くの『和名抄』諸本を校訂し、書入れを行っているが、本書の書入れは単なる校訂にとどまらず、和名の考証のため『和名抄』所引の文献以外の典籍をも博捜し、数多くの用例、出典を記している。『箋注』と異る視点にたつところも多く、●(木偏に夜)斎の『和名抄』研究あとを如実に示している。

 本文の書入れは、墨、朱、藍、緑の四色があり、影印では判別のしにくいところもあるが、第二巻に校勘記を付して、補う。

 次回配本は『第二巻 倭名類聚鈔(二)』昭和62年12月15日刊行予定。



第七巻 中世歌書集

編集 藤平春夫



 本書はすべて中世和歌関係の書で、孤本または原本の面影をよく伝えた、学術価値の高いものを収録する。

1.三条西家旧蔵書

現在、本館所蔵の約五十部ほどの歌書の中から、三条西実隆・公条・実条関係のものを選んだ。

『実条公雑記』・『幽斎聞書』『古今伝授書』その他、いずれも実隆とその系統の人々が関与した伝受書・学書・古典写本で、貴重な資料である。『実隆書状』二通・『幽斎書状』九通は、荻野研究室収集文書のうちのもので、実隆書状は伝受につながるもの、幽斎書状は実条らにあてたもので詠歌に関連の記事があり、併せここに収めた。

古今伝受書

2.東山殿御時度々御歌会 横本 一冊

応仁の乱のさ中、足利義政を中心とする公武歌人が悠々と雅事に耽っていた様子を如実に示す歌会歌の集。大永八年写 孤本

3.続古今和歌集目録 巻子本 一巻

『続古今集』の物故名の目録。享禄元年写 孤本

4.続古今和歌集竟宴歌 巻子本 写 一巻

文永三年三月に行われた『続古今集』の竟宴和歌。伝本きわめて少ない。


第二期 刊行のおしらせ

 資料影印叢書第一期十六巻は、本年末に最終回配本『第二巻 倭名類聚鈔(二)』を刊行して無事完結いたします。教員・館員をはじめ諸氏のご協力によるものと深く感謝いたします。

 幸い学界などでの評価も高く、更に影印による資料公開を期待する声が、学内外より寄せられています。当初より、第二期刊行も考慮されていたことでもあり、要望にこたえて、ここに引き続き「国書篇第二期十六巻」を刊行する運びとなりました。各巻の書名と編集者は下記の通りです。(書目の詳細は追っておしらせします)今後ともご協力をお願いいたします。



早稲田大学蔵 資料影印叢書《国書篇・第二期》
刊行予定
●巻数 ●題名 ●編集
第1巻 軍記物語 日下力
第2巻 中世歌書集二 井上宗雄
第3巻 室町物語集二 中野幸一
第4巻 宗祇連歌集 伊地知鐵男
第5巻 能楽資料集 竹本幹夫
第6巻 貞門談林俳諧集 雲英末雄
第7巻 浮世草子集二 神保五彌
第8巻 浄瑠璃集二 鳥越文蔵
第9巻 絵入狂言本集 林 京平
第10巻 歌舞伎台帳集二 菊池 明
第11巻 馬琴評答集(一) 柴田光彦
第12巻 〃      (二)
第13巻 〃      (三)
第14巻 〃      (四)
第15巻 〃      (五)
第16巻 近世古文書集 滝沢武雄 



第二期刊行委員会 昭和63年1月〜66年12月
顧問 濱田泰三 (理事)
   橋本 宏 (理事)
   倉橋 健 (演劇博物館館長)
委員長 奥島 孝康 (図書館長)
委員 菊池 明 (演劇博物館学芸員)
   雲英 末雄 (文・教授)*
   柴田 光彦 (教・講師)*
   神保 五彌 (文・教授)
   滝沢 武雄 (文・教授)*
   辻村 俊樹 (文・教授)
   鳥越 文蔵 (文・教授)*
   中野 幸一  (教・教授)*
   野口 洋二 (図書館副館長)
   今井 半 (図書館事務長)
    鎌倉喜久恵 (図書館総務課)
(*印は、編集委員)
(事務局)図書館(鎌倉)・出版部
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