No.10(1987.2.10)p 18

早稲田大学蔵 資料影印叢書

第十六巻刊行 古文書集(三)

編集 瀧沢武雄


本館には、荻野研究室収集文書の中から、主として戦国〜織豊期のもの三〇六点を収めたが、若干、鎌倉期から室町期までのものと、江戸初期のものが含まれている。これらの文書のうちには、今川了俊、細川頼之、大内義隆、加藤清正、片桐且元、吉川広家、木下長嘯子、池田光政など、著名人物の自筆文書、或いは、佐竹義重血判誓紙をはじめとする五通の血判誓紙など、歴史的にも、また古文書学的にも興味深い文書がある。

まとまったものとしては、毛利氏関係の文書が―〇八通と圧倒的に多いが、豊臣氏関係のものも二〇数通と多く含まれ、その中には、「刀狩令」「人払い令」「海賊令」など豊臣政権にとって重要であった諸政策に関する原文書がある。

徳川家康関係でも、関が原役直後の石田三成逮捕に関する生々しい史実を示す文書(写真)、あるいは「徳川家康加筆徳川頼宣家臣石高書立」のような注目をすべき文書が含まれる。

『古文書集』三巻の完結に伴い、本巻巻末に三巻に所収のすべての文書を年次順に配列した「編年総目録」を附し、巻頭の目次とともに既刊の荻野文書の目録・釈文と対照利用できるよう配慮した。

次回刊行は、中野幸一編集「室町物語集」。三月一五日刊行予定。



上 徳川家康直筆 下 村越直吉添状



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