中国留日学生監督処文献


資料形態35mm マイクロフィルム 12リール
請求記号M42
原本所蔵不明
製  作早稲田大学図書館
内  容  明治29年(1896年)に清国(当時)より初めて留学生が来日してから今日まで、多くの中国人留学生が来日している。第二次世界大戦前は昭和12年(1937年)まで42年間続き、多いときにはおよそ二万名の留学生が学んでいたというから、この間学んだ留学生の総数はいかほどになるのか想像がつかない。
 このため清国政府は学校との交渉、留学生の監督などの必要から明治36年(1906年)に公使館外に留学生監督処(中華民国時代は中華民国留日学生監督処)を設置し、同年より『官報』(留学生に関する専門雑誌)、『経費報銷冊』(学費支給明細書)という定期刊行物を出版した。中華民国時代には、こうした刊行物は出版されなくなったが、留学生についての多くの資料を残した。
 大正12年(1923年)、関東大震災により中華民国留日学生監督処は閉鎖され、処員は帰国し、これらの資料は留学生斡旋機関の日華学会に寄託された。しかしその後の日中戦争、第二次世界大戦、敗戦等で日華学会も解散しこれら資料も散逸しかけたが、故實藤恵秀本学教授が尽力して中国研究所に保管を依頼し散逸を防いだ。その後同教授がこれらの資料の移管を依頼され研究室に運び、1966年早稲田大学図書館がマイクロ化した。同教授は原資料を中国に返還することを希望していたが、現在の所在は不明である。
 マイクロ資料の内容は、前記『官報』、『経費報銷冊』、中華民国時代の留学生統計、同名簿、官費留学生調査簿などであるが、惜しむらくは『経費報銷冊』の最初の部分が欠失していることである。この部分は今後とも発見されることはないであろう。とはいえ、この資料が中国人学生の日本留学の歴史を研究する第一級の資料であることは論を待たない。故實藤先生のご努力に感謝したい。
検  索早稲田大学図書館 編『中国留日学生監督処文献』(目録、4階複写・マイクロ資料室備え付け) による。
関連文献實藤恵秀『中国人日本留学史稿』 日華学会 昭14
さねとうけいしゅう『増補 中国人日本留学史』 くろしお出版 1981
『財団法人 日華学会年報 第1回〜第19回』1919-35  他


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First drafted May 26, 1997
Last revised Dec. 4, 2008